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日記

「DJなんて“MID”の微調整だけ」。DJ灰野敬二のインタビュー。

2015/04/30

灰野敬二

ノイズや現代音楽でお馴染みの灰野敬二のMIXCD「-experimental mixture- / in the world」がなかなかすごそう。あらゆる楽曲がミックスされて、更にドラムマシンの音も加わり、更にカットアップされているという、手の込んだMIX。彼のインタビューが一般的なDJの観点と大きく違ったので、引用しつつコメントしてみたいと思う。

灰野敬二、DJ名義としての初音源『in the world』を3作同時リリース&インタビュー - OTOTOY

……延々と宗教戦争をやってるわけじゃない? 俺はイスラム教とキリスト教の音楽を同時にかけるの。音楽のなかでは仲良くさせる事が出来るよね。

極端な例だけど、ようするにDJってこういうこと。実際には交じり合わないものでも、音源化されていれば勝手に交えちゃうことが出来る。普通はこの共通項として、テンポがある(だからDJはピッチ合わせをする)んだけど。

……みんなね、ピッチにしか頭がいってないの。2つの曲を1つのピッチに統一して、1曲として聴かせる。でも「同じピッチに統一されていくことになんで疑問を感じないんだろう?」とは思う。なんにでも縦軸と横軸があるの。時間が横軸だとすれば、縦軸はピッチ。それで俺はCDJだけじゃなく、ドラムマシンで時間を遅くしたり、ズラしたりしてる。

また新しいビートを持ってきて、時間を操作するというのが、灰野敬二らしい。ハウスミュージックってここで灰野敬二がやっているような、「曲にビートを足す」ことでお客さんが踊りやすく、DJが使いやすいものとして発展してきたけど、その音楽のピッチを操作する(主導権を握る)というあたり、更に上を行った感ある。

……そう。部屋にあるアンプは“BASS”と“TREBLE”だけなんだけど、DJミキサーを触るようになって“MID”の効果に驚いた。あれの微調整だけだよ、DJなんて。テンポとかは別だけど、音の作り方に関しては、“MID”をいかに使いこなせるか。あのツマミはいろんな可能性を秘めているんだ。

曲をつなげてかけるのはDJの前提だけど、変化を加えるという意味では、“MID”が全てだと思う。有名なDJミキサーが大体そうであるように3バンドが一番使いやすい。BASSとTREBLEだけなら楽曲のコントロールは出来ない。 ハウスミュージックならアイソレーターという機材で曲に息吹を吹き込むことができる。“MID”に関してはハウスミュージックのDJからこんな声も。こう考えてみると、“MID”ってすごいね。

JOAQUIN "JOE" CLAUSSELL Interview | クラベリア
JoeClaussell

……アイソレーターについてだが、これについては非常に深く、長いディスカッションが必要だ。スピリットや宇宙に関するあらゆることが関わっているからね。 取り急ぎここで言いたいのは、あれは何かのショーではないんだ!ということだ。自分はパフォーマーではないし、僕はDJの中でも特にナーバスでシャイな方だ。DJをする時は文字通り別の次元と繋がって地球のリズムを感じる。このエネルギーとオーディエンスとのコネクションが、頭蓋骨の前の部分にある小さい窓から入ってくるんだ。僕のアイソレーター使いを嫌う人がいるのは知っているが、まだ足りないという人が世界中にものすごく大勢いる。彼らは 僕を通して宇宙から発信されているものを感じている。彼らも同じように取り憑かれているんだ。

相当インパクトあるDJプレイ。ハウスミュージックだったら知ってるけど、これもステレオタイプなDJとは違う。

CDJならば、もっといろんなことができるでしょ。1枚のCDRに4つの曲をミックスし、4台のCDJでまとめてかければ16曲を同時にかけることだってできる。なんだってできるんだよ!

共通しているのはピッチを合わせるとか、躍らせるとか、そういうのは割りとどうでもいいことなんだろうな、という点。CDJの登場で楽器のようにパフォーマンスをするDJも増えてきたけど、インタビュー中にもあるように、CDJも楽器も同列で、既にある音を発生させる装置に過ぎない、という捉え方だと思う。

CDJがあるんだから(ピッチ・コントローラーを使って)みんなDJスクリューの音源を元に戻せばいいんだよ。それで元の楽曲がなんだったのか露にしていけばいい。今後はそういうこともやっていくと思う。

スクリューはピッチを極端に落とした楽曲のこと。行ってしまえばDJのスクラッチも既に刻まれた音を高速再生したり、高速逆再生したりするテクニックだから。インタビュー中でも触れられているけど、ここでいう元の音ってなんだろうね?

色々書いたけど

なんだかいままで当たり前だと思っていたことが、DJの外側の人、現代音楽的な人から触れられることによってまた違うものに見えてきたのでした。

実際にDJ見てみたい。灰野敬二MIXCD RELEASEPARTY!という言葉の響きはカオスだけど。

-日記