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日記

主催イベントでぼくが考えていたこと

2016/04/28

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昨年の11/8に音楽イベントを主催した。ご出演頂いたみなさま、ご来場いただいたみなさま。ぼくの話を聞いてくれて、アドバイスや励ましの言葉をくれた人、本当にありがとうございました。

主催者、という定義が曖昧だから説明しておくと、本当に何から何まで関わっている。担当していないのはWeb以外の“実制作作業”、そして一部アーティストのブッキングのみ。

こう書くとオーガナイザーYEAH〜、と華やかに見えるかもだけど、観光シーズンの京都でホテルを抑えたり、クラブの下見に行ったり。観光シーズンの京都のホテルがなかなか空いていなかったり、クラブ回ってみると意外とチャラい箱しかなくて困ったり。実際に足を運ぶことも多かった。

いろんな人とイベントの趣旨を共有していたつもりではいるけど、それでもイベントについて、あまり触れられていなかったので「なぜあんなイベントをしたのか」、まとめようと思う。

イベントのはじまり

はじまりはヲタクのマジレス

アイドルの握手回で「○○ちゃんがぼくの事カッコいいって言ってくれたんだぁ!」というヲタク、それに対して「リップサービスだから。何本気にしてんだコイツ」と思う世間一般の人、という構図は簡単に想像出来るかと思う。

BiSの解散後から動かしたイベントではあるけど、このイベントもそんなヲタク的なコミュニケーションからはじまっている。「ライブツアーの特典で貰った『直筆お手紙』に『京都のイベントとか呼んでくれやー。笑』って書いてあったから、マジに受けて呼んだ」という割りとアレなものだ。

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手紙を見た時は「呼べと言われても解散するじゃん……」と思っていたけど、あの解散ライブでマネージャーが「今後はフリーのDJとして活動します。お仕事がある人は……」と発表があって腑に落ちた。

「なるほどそういうことね、で、呼べといったな?冗談なのはわかってるよ、でも言ったからには本気で呼ぶぞ?」と敢えて大真面目に捉えて動いたイベントだった。

意義のあるものにしよう

「元BiS・関西初公演」というだけで話題性はあるし、喜んでくれる人もたくさんいるだろうと思った。ここでぼくがここで考えていたのは、どれだけ意義のあるものにするかということ。ぼくの友達のDJやVJに出てもらって文字通り「イベントに呼ぶ」ことはできたけど、それには意義を見いだせなかった。

サブカル系クラブイベント

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TwiPla - サブカル系
サブカル系

なにはともあれ、普通のクラブイベントとは全く異なるものになることはわかっていたので、俗にいうアニソン・アイドルイベントを色々と見てみることにした。そしてわかったことは、その価値観がぼくには合っていない、ということ。

驚いたのが、俗にいう「サブカル系イベント」と謳っているイベントの多さ。「アイドル・アニソン・EDM・Remix。みんなも知ってる曲がかかって楽しいよ!」という様子。

もちろんクラブイベントと区別化するための便宜上「サブカルイベント」と謳っているのはわかるんだけど、そこで用いられている「サブカル」という言葉に、違和感を覚えた。だってみんなが楽しめるって、サブでもなんでもないし。

楽しめるイベント

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楽しめるイベントと楽しめないイベント。どちらを選ぶかってそれはもちろん前者だ。じゃあ楽しめるだけのイベントと、楽しめるだけではないイベント、だったらどちらを選ぶだろう。

映画に例えるなら、前者は「みんなが知っているアクション映画、相次ぐハプニングを乗り越える主人公、驚きの連続!」といったところだろうか。見終わったあとは「最高だった!」ってなるかもだけど、実際のところ「ただ興奮しただけ」で、話のネタにはなるものの、特に血肉にはならない、といった感じがする。

ぼくが抱いた「サブカル系」イベントに対する違和感の一つは、そんな「楽しければOKでしょ」という姿勢。もう少し具体的に言うと……。「楽しければOK」という姿勢は理解できる。でもそれが「サブカル系」と謳っていることに違和感があった。

サブカルチャーってなんだろうね?

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ただ、その「サブカル系」の使い方が間違っているとは思わない。誰かにとってその「サブカル系」は正しい。だいたい根本的にサブカルという言葉が曖昧だ。きっと今もどこかで「サブカル系」を巡り、なんかもうとにかく色々起こっているはずだ。こんな曖昧な表現が的確に思えるほどにサブカルは曖昧だ。

ぼくはこのイベントでサブカルを「敢えて○○する姿勢」「不合理を援護するもの」として扱った。サブカルってよく何かに反抗する精神のように捉えられることが多いけど、ぼくは反抗する対象なんてもはや無いと考えている。

そんな対象の有無はともかく、敢えて○○するという姿勢はとり続けられるものだし、もちろん合理的なものではない。でも、そんな非合理的なものを援護できるのが、サブカルチャーの魅力だ。

後々触れるけど、ゲストでお呼びしたアーティストの方々は、どこか非合理的だったりする。見ていてもっと合理的なやり方があるだろうと思う。でもそんな不器用さや、自分の好きなものを信じる姿勢がたまらなく好きで、全力で援護したかった。

毒を仕込む

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じゃあどうやって作るんだ、伝えるんだ。という話。世間のサブカルイベントに対するカウンター、といった形も取れたけど、「これが本当のサブカルだ!」という姿勢は、誰にも開かれずに自閉化を招き、根本的に「楽しければOK」と同じものになる。

なので、毒を仕込むことにした。ただ「楽しいイベントだった」と思ってもらうだけでもOKだけど、数ヶ月後か数年後、少し、その世界を掘ってみた時、「そういえばあのイベントでこんなの見たな」と思ってもらえたら、あなたの中に新しい文脈を作るきっかけになれたら、という思い。

例えるなら、背伸びして買ったカルチャー系の雑誌。知らないアーティストばかり紹介されていて、わからないことばかり。でも数年後、ふと部屋の掃除をしたときに手に取ってみると、今自分が好きなアーティストが紹介されていた……って感覚。

物事を広く知っていればそれだけ世界を広く捉えられる。そんな世界の中から、特定の何かを見る場合にも、そのルーツがわかるかわからないかで、見え方は大きく変わってくる。捉えられる世界を少しでも広く、少しでも深いものにすることをずっと意識していたように思う。

ぼくが選んだもの

とそんな「サブカル」を意識した割と面倒なイベントだけど、ようやくお招きしたアーティストの方々や、会場と結びついてくるので、少しずつ紹介したい。今更予め断っておくと“ぼくはこう考えています”という話であって、捉え方は人それぞれ。

キャバレーみたいな京都のクラブ

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いろんな会場を回ったけど、結局京都の「CLUB GRiND」さんで開催した。約20年営業されている京都のクラブ、正直なところ近くに住んでる人でもその存在を知らなかったりする。

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アクセスが良いかというと決してそうではない。でもそれが魅力的だった。とぼとぼと京都に来て、「ホントにこんなところにクラブなんてあるのか…?」とか思いながら、鴨川を渡り、会場に向かう感覚、いざ入場してみたときに抱くであろう非日常感が、ハマった。

ちなみに、このイベントはデイタイムで開催しており、周りも一切歓楽街が無いという、随分健全なクラブイベントである。クラブに入れない未成年の方も見に来てくれていたら嬉しい。

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イベントを行ったフロアはセカンドフロアで、DJブースも常設場所から移動してる。敢えて遠い会場で、敢えてセカンドフロアでの開催。

テンテンコさん

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このイベントの象徴。まぁ、この人を呼ぶことからイベントがスタートしているので当たり前ではある。アイドルからフリーランスとして活動、尊敬するDJは根本敬というあたり、はたから見るともう筋金入りの「敢えて」の人だ。

サブカルチャーの精通っぷりとのギャップぷりもすごくて、とにかくかわいい!と思っていただけなのに、あっという間にサブカルチャーの世界に引きずりこまれてしまうような、そんな魅力。誤解を恐れずに言うと、まさしく、毒だ。

パフォーマンスも「そんな完璧な回答用意してくるか…」というもので。ご自身もこのイベントをとても楽しんでもらえたようでよかった。

アリスセイラーさん

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京都で開催するにあたって、東京的なものから距離を取ることにした。もう少し具体的に言うと、インターネットで常にアップデートされる東京。音楽で象徴的なものを挙げるなら、ネットレーベル的な最先端の音楽。

言葉が見つからなくて、またどこか穿ったものの見方だけど、こういったネットレーベル的な音楽は過去の文脈を比較的、直接的に参照した作品作りが行われている。ただファンの人達が参照しているかと決してそうではない用に感じる。

はたから見ていると、山手線の内側で全てが完結しているような、そんなそれっぽい空気、合理的な空気を感じてしまう。楽しみ方はそれぞれだけど、そんな解釈や消費の仕方が、そのものの空気をある意味、蝕んでいく。……だからぼくは文脈を意識した。

過去にも現代にも目を向けられる文脈を作るために、キャリアも長く勢力的な活動をされている人、いわば伝説的な人をお招きすることが使命だと考えていた。

そう考えると、アリスセイラーさんは「80年代に京都でアマリリスを結成」という時点でもうお招きするしかなかった。ちなみにテンテンコさんはラジオDJを務めた回でアマリリスの楽曲をプレイされていたり。

アリスセイラーさんはコスプレ姿でもパフォーマンスをされている。東京と京都、新世代と伝説、アイドルとアーティスト。テンテンコさんとの共演を考えると、いろんな要素が対比的だったり、共通していたり。そんな関係性もどこか必然的に思えた。

当日のパフォーマンスはもう兎にも角にもすごくて。当日まで詳しいことは伺っていなかったのだけど、バンド形式であるアマリリス【改】としてご出演いただき「地下アイドル ぴいち姫」としてのガンダムSEED DESTINY楽曲でのパフォーマンス。

「ここでしか打てない!」と悟ったのか、タガが外れたヲタ芸が炸裂するフロアが刹那的で、どんな人でも笑顔にしてしまうエネルギッシュさがあった。後々来てくれた友人に聞いてみても、「とにかくアマリリス【改】が楽しすぎた」という一言が返ってくることが多くて、このイベントならではだった。

その他のご出演者・アートワークなど

そんなお二人がスペシャルゲストのイベントだけど、他にもとんでもなく豪華なメンツで臨んでいる。

にかもきゅさん

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DJ以外にはなかなか通じないかもだけど、プレイしているDJが「ブレイクコア・ドラムンベース」という、これもまたそのルックスからは信じられない方。

ご本人にもブログに書いていただいたんだけど、「アイドル・アニソンはイベントとして特別求めていない」「自分の好きにやってほしい」とリクエストしてた。その理由はご本人の言葉で端的に説明できる。

さて、にかもきゅは(…)クラブイベントで初めて(たぶん)ガチでブレイクコア回しました~!(…)
1年くらい下積みしたかな!!!!!
でも、アニソンやアイドルイベントがメインだったからちょっともどかしかった(T_T)
からのブンミャクは「むしろアイドルアニソン系控えて」だし「好きなようにやりな」って言われたから

うあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ちょ~~~~~~~~~たのし~~~~~~~~

でした(T_T)

以前にかもきゅさんと同じイベントに出演した友人が見に来てくれていたんだけど、「あんな活き活きしているの初めて見た」と言っていたり。“新しい文脈を作る”というこのイベント、アイドル文脈を敢えて切断するということにもトライしている。

お客さんはそのギャップに「え、そんな凶暴なプレイするの・・・」と驚いた人も多かったのではと思う。BPMも最速240ぐらい記録していたりする。

CASIO☆トルコ温泉

通常のクラブイベントは、序盤はいかにも前座DJが、フロアを温めることを意識してプレイする。長くても1時間程度で区切り、お客さんを飽きさせずに、徐々にビルドアップしていく。……わけだけど、このイベントは最初からぶちかましている。

ローファイでサンプリング感漂う、女性4人組のCASIO☆トルコ温泉による2時間セット。一人1台CDJ、合計4台設置した、普通のクラブイベントではありえないパフォーマンス。アグレッシブさにはぼくも軽く引き笑いしてしまったという。

どんな感じのジャンルをプレイしていただけますか?とお伺いしたところ、「ガバ」をはじめとする、それ普通かけるジャンルじゃないから、というものばかり返ってきたので安心した。メンバー4人だから4台CDJ出そうとか、大まじめに悪ノリする感覚で作っていった。

KOJI1200の「ブロウヤマインド」やら織田無道ネタのナードコアがプレイされ、ゆるキャラの芋メンも来るわ、とんでもない騒ぎだった。

原田ちあきさん、marimoさん

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イベントはDJとライブだけでなく、ライブペイントも取り入れた。原田ちあきさんは大森靖子さんとのコラボグッズ制作、marimoさんはアーバンギャルドのグッズデザイン、とここでも(便宜上使うけど)サブカル感漂う豪華なお二人。

ペイント中の原田さんには鬼気迫るものを感じたし、完成した作品はものすごい反骨精神あふれるメッセージが書かれていて、最後はなんか破壊したとか聞き、何が行われたんだという感じだけど、とにかくすごかったことに間違いはない。

この時は、CASIO☆トルコ温泉がプレイ中、ダンスフロアには芋メンがいたり、メンバーのみんなも飲みまくって文字通り大暴れしており、ただでさえグチャグチャなイベントの中でもドープな空間に仕上がっていた。

marimoさんのペイントはボディペイント。ライブペイントはありがちだけど、なかなか公衆でボディペイントは無いかと思う。ちゃんと隠すところは隠していたけど、ごく普通に上半身に何も着ていない女性がいるというだけでインパクトがある。軽く撮影会場みたいになってたのが印象的だった。

考えてもみれば、隣ではにかもきゅさんが、超高速なブレイクコアをプレイしているわけで、これもまた先ほどとは違い、ハチャメチャで良い。

ちなみにお二人にはイベントのアートワーク方面でも関わっていただいている。

ロゴ

テンテンコさんとアリスセイラーさん、そしてブンミャクのロゴ。これはmarimoさんに描いてもらったものをもとに、後輩のデザイナーと編集して制作したもの。

ポップさと毒っぽさを出してほしいと、色々とお伝えしたけど、見事にポップかつ、どこか毒味のあるテイストに仕上がった。marimoさんはもちろんのこと、今の同人誌やアニメなどのカルチャーに触れているデザイナーが見事に今っぽさとクラブテイストを増幅してくれたのが効いている。デジタルとアナログを行き来してよかった。

アートワーク

イベントのアートワーク、変名ではあったけど、某アーティストに制作していただいたもの。素材として80年代テイストが漂う原田さんの作品が用いられている。

某美術集団に見られるような作風だけど、そこでコラージュ素材として用いられている素材、特に「瞳」に注意していた。こういった作品ではアニメの美少女キャラが用いられることが多い。作品を見た誰かが、その瞳を見て、その引用元に気づいた時、例えば「そういえばこのアニメ見ていたなぁ」と個人的な「アニメとの思い出」にジャンプしてしまう。

アートワークではその「瞳」を原田さんの描く80年代テイストのものに差し替えることで、そのジャンプ先をまだ見ぬものや、原田さんの作品を通じた何かに変える狙いがあった。テンテンコさんとアリスセイラーさんの共演はもちろんのことだけど、最先端でポップなものと、80年代的で非合理なものを接続する装置として、このアートワーク・そして瞳の用いられ方も重要なものであった。

yohsuke chiai

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VJはこれまで様々なイベントをご一緒してきた、yohsuke chiaiくん。ロシアで一緒に演ったり、もうお願いしますの一言で、間違いない人。今回はいつにも増してバキバキなVJをしてもらった。

そして前述したイベントのアートワークなんかもVJ素材として全て用いられ、ビジュアル面、錚々たるアーティストの作品が投影されるものになっていた。テンテンコさんのプレイ中なんかにもスクリーンに注目している人が多く。雰囲気抜群。

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訳あって当日、会場に来ていただいたものの、VJとしてご参加いただけなかったのが残念ではあるけど、空間設計という形でご協力頂いた。出演者の舞台をどう設置するか、どうやって人の流れを作るか、などなど。

ぼくたちはクラブミュージックの人間だから、イベントではダンスフロアをベースに動く。疲れたらダンスフロアから離れて、人と話す、というように。しかしこのイベントではそんな人ばかりではないと考えていた。「どう踊っていいかわからない」という人もいるだろうし。

人がどう動くか、会場の温度をどう保つか。会場に向かうお客さんのことから、入場後まで細かくシミュレーションした上で様々なことを決定していった。ダンスフロアとラウンジを絶妙に区切り、舞台を揃えて、ひとまずこちらを向いていれば、何らかのパフォーマンスが目に入るように設計。

このイベントではどのパフォーマンスもフラットに扱いたかったので、クラブイベントのライブペイントにありがちな「端っこの方でやっている感」が無かったのがとても良かった。

そして原田ちあきさんのライブペイントは、このイベントのためだけに特大のキャンバスを設計していただいた。marimoさんのボディペイントの背後にあっても存在感を発揮する、ド迫力のものになった。あのイベントの空間の下敷きになったのは、紛れも無く彼の空間設計のスキル。

DJ Shunmei

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ファッション関係やらなんやらのつながりだけど、今回のイベントではDJとして参加してもらい、彼がいなかったらクラブ要素がかなり少なくなっていたかと思う。EDMからエレクトロニカまで、クラブミュージックで踊らせてくれた。

ちなみに、彼がプレイした「朝が来るまで終わる事の無いダンスを」のいずこねこVerが、このイベントで最もアイドル感漂う楽曲だったかと思う。でんぱ組.incのリミックスなんかも、にかもきゅさんがかけてたけど、超絶チョップされたものだったし。

シカク

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以前から仲良くしていただいているお店。各種イベントなんかにもブース出店されているようだけど、こんなクラブテイスト感漂うイベントへの出店はなかなか無かったのではと思う。

関西で唯一といわんばかりのドープな品揃え。書籍や雑誌は新しい世界を見るきっかけになる。シカクで扱っているものの中には、一般流通されない自費出版物も多くあり、陳列されている商品を見るだけでも、文字通りお客さんに新しい世界に触れてもらえるきっかけになるかと考えていた。

ちなみに、テンテンコさんのグッズもシカクさんで取り扱っていたので、イベント期間中の出店物はかなり豪華になっていたかと思う。その後もテンテンコさんのZINEは店舗にも置いてあるようなので是非。

ぼくのDJで考えていたこと

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このイベントではぼくもDJとして参加している。お越しいただく方がクラブに慣れている人ばかりではないだろうし、典型的なDJはせずに、このイベントでしかできないDJを心がけた。にかもきゅさんからテンテンコさんに違和感なく繋ぐことが第一目標だったけど、ぼくが振り回してテンテンコさんにパスしたので、違和感なかったのではと思う。

町田康の楽曲やテンテンコさんがヘッダー画像にも使っている駕籠真太郎がアートワークを務めたFlying Lotusの楽曲、VJのyohsuke chiaiくんが映像に使ってた楽曲やら。最後はShunmeiくんが評論で取り上げていた、元Dior HommeのHedi Slimaneがデザイナーとしてカムバックしたときのコレクションで用いられていた楽曲を使ったり。

様子を伺いつつセットを展開していったけど、どれだけ飛ばしてもお客さんが「ヤバい!」と応えてくれたことに感動した。ノイズミュージックかけても全然乗ってきてくれるし、すごいお客さんだった。

昔読んだDJの「選曲」に関する書籍で「伝えたいことがないなら選曲する必要は無い」と書かれていて、ぼくはその考えをずっと意識しつつ、DJという行為をしている。このイベントではかなりハマったように思う。

また同じようなことやりたい。

ものすごく長い文章になってしまったけど、実際にやってみて意義はあったように感じる。

クラブの下見をしたときに、誰もいないクラブで、こんな空間になればいいなぁと考えていたんだけど、当日の光景は、そんな思い描いていた光景そのものだった。途中で帰るのが当たり前のクラブイベントにもかかわらず、イベントの最後まで残ってくれる人も非常に多かった。

評判もとても良かったし、楽しんでもらえたように見える。このメンツで楽しんでもらえるなら、嫌でも「楽しい」以外の何かが残るはず。どんな形になるかはわからないけど、同じような問題意識を元に、何かできたらなぁと思っている。

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